Okta共同創業者・CEOのトッド・マッキノンの成功の秘訣とは?

クラウド・コンピューティング起業にはいろんな業種業態がありますが、特に技術系の会社の立ち上げは苦労が伴います。特に、売り上げ1,000億を目前にしている企業の技術担当副社長の仕事を捨てて、となるとなおさらです。OktaのCEOであるトッドマッキノンは12年前の不況下において、Salesforceを退職して新しく起業するためには、まず妻を説得する必要がありました。

説得が終わった後、「転職して会社を興すための提案書(なぜ私は狂っていないのか)」というタイトルのパワーポイント1枚と予備の計画書を作成して、クラウドへの移行の芽を利用した会社を興す準備に入りました。今後10年から15年で技術分野に大きな変革があり、最大の企業が生まれると予測した彼は、このチャンスを逃しませんでした。しかし、事業成功の要因は計画の立案だけではなく、困難を乗り越えて経営方針の変換をする、という姿勢を維持したこともあげられます。

当初はSaaSureという名前で、クラウドサービスの信頼性を監視・報告する目的の会社を設立する予定でした。しかしそのアイデアの将来性が厳しい事が判明するやいなや、彼と彼の共同設立者であるフレデリック・ケレストは、代替え案としてアイデンティティ管理にシフトチェンジしてチャンスを広げようとしました。2人はクラウド・サービスへのログインとパスワードの問題を認識しており、1つのパスワードで複数のアプリケーションにアクセスするための技術を構築するのは難しいと考えていました。そこでOktaの登場です。

マッキノンの事例が証明するように、起業時の方向転換は、早ければ早いほど簡単です。石の上にも3年という言葉はありますが、これはあくまで確立されたビジネスモデルであったり、その分野での技術の習得といった、あるていどの時間が必要とされるものに限定されます。新規ビジネスに関して言えば、可能性が低いとみたらすぐに方向転換しなければ損害が増えるだけなのです。マッキノンとケレストは顧客も投資家もいない状態で、起業後数カ月でアイデンティティへ移行しました。

最初の18〜24ヵ月は、基本的な機能を構築し、最初の5〜6社の顧客を獲得することに専念しました。当時クラウドというのは一般的ではなく、認知度が低かったのです。また、企業自体のIDソリューションの必要性が低かったため、このままでいいのか?という疑念もありましたが、社員や投資家の期待は高いままでした。マッキノンは、困難な状況にあるときでも、「信じられないことでも、信じなければならないことがある」とアドバイスしています。

その結果、Oktaは今では300億ドル規模の企業となり、インターネット上のアイデンティティを提供するリーディングカンパニーとなりました。マッキノンももう一つのアドバイスはは、厳しい時代でも行うべき重要なものです。それは、無理なものではなく、努力すれば達成可能な目標を設定することです。当初マッキノンとケレストは100社の顧客を確保できると考えていましたが、実際に稼働している有料顧客を10社まで絞ることで、モチベーションが高まりました。

方向転換をしたマッキノンでしたが、いくつかの要素が彼にとって有利に働き始めました。クラウドサービスの市場は回復し、Oktaの製品はよりスマートになり、顧客に販売するためのより強力なチームを雇用したのです。2011年秋、Oktaが目標を大幅に上回る成績で四半期を終えたとき、マッキノンは「NBAのチャンピオンシップに勝ったような気分」になり、ついに自分のアイデンティティのアイデアが実際に機能するかもしれないと考えました。

当時の数字は現在のOktaの数字に比べれば微々たるものですが、Oktaが目標の20万ドルに12万ドル以上も届かなかったのは、その前の四半期だけでした。それから6年後、マッキノンは多くの起業家の目標である株式公開を達成します。当時、この達成はエキサイティングでやりがいのあるものでしたが、マッキノンはこの達成を「高校の卒業式」のようなものだと考えていました。

最近のOktaによるAuth0の買収は、より広範なデジタルアイデンティティのユースケースに対応するための重要な一歩であり、Oktaが野心を失っていないことは明らかです。Oktaチームは、誰もがあらゆるテクノロジーを安全に利用できるようにするという会社のビジョンを実現し続けています。Oktaはインターネットのためのアイデンティティを強化し、顧客がその可能性を最大限に発揮するための自信を与えてくれます。

マッキノンは、Oktaの成功は自分一人の力ではなく、Oktaチーム全体と1万社以上の顧客の力によるものだということを、真摯に認識しています。「計画」「適応能力」そして「長期的な目標へのコミットメント」により、マッキノンは成功を実現し続けている。

やはり成功する人は違っていますね。能力がどうこう、という話ではなく、周りの状況をみて勝ち目がないとみるや迅速に方針転換したり、苦しい時期でもプラスの展望さえあれば継続する、そのために高すぎる目標ではなくモチベーションの維持にもつながる可能な目標を設定する。

鵜呑みにするのではなく、しっかりと咀嚼して自分の行動の指針にしていきたいな、と思います。

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