アマゾン、プライム・エアのドローン開発チームを大量解雇

2021年11月19日 (金) 18:24

ドローン
ドローン

日本版のビジネス・インサイダーにタイトル通りの記事があったので、調べてみると、今に始まった事ではないようです。英文の過去記事を参照しながら自分なりのコメントも添えておきます。日本版はこちらで8/11ですが、英語版はこちらで8/4ですね。これ・・・1週間くらいタイムラグありますが、日本版ってリアルタイムで和訳されているものばかりじゃないんですね。といって探していたら、8/4にライブドアニュースで紹介されていました。もちろん日本向けにって事で取捨選択しているんでしょうけど。GIGAZINEにも一連の記事を紹介していました。今回はその概要と昨年2020年8月に米国連邦航空局(FAA)の認可取得と同年11月のスタッフ解雇を掘り下げていきます。

ワイアードはアマゾンがPrimeAir部門の従業員を100人以上解雇し、規模を大幅に縮小した報じました。同部門はドローンでの配送の実現を目標としており、アマゾンは2016年から英国でPrime Airドローンのテストを実施していました。ワイアードの報道の情報元のひとつに、元従業員の証言があります。

それによると、プロジェクトは2019年にバラバラになりはじめたそうです。ドローン関連の技術的知識のない管理職が、アマゾン本社からなんども送られてきてピザを振る舞っては、仕事量を2倍に増やしたそうです。現場の事をまったく知らない管理職がくると混乱をきたすといいますが、スタッフは解雇されるのを待たずに退社していたようです。あるときには1ヶ月に3人のマネージャーが交代していたという話もあります。

そして指示は朝令暮改があたりまえ。アマゾンはワイアードに対してイギリスでのPrimeAir関連スタッフはまだいると話していますが、その数は教えられませんでした。まあ、そりゃあそうでしょうね。元社員の証言が当たらずとも遠からずってところなんでしょう。ビジネス・インサイダーのユージン・キムは先月、スタッフがAmazonの他の部門よりも速いペースでPrime Airを去っていると報じました。

フィナンシャル・タイムズは2020年11月、Prime Airが数十人の研究開発および製造スタッフをレイオフしていると報じました。 元従業員の証言いわく「すべてが誇大広告、できもしない約束をして売り出した」とのこと。短期契約や人員削減で徐々に縮小していくなかで、同時に従業員はコスタリカで公認者を訓練するようにいわれたそうです。同時に第三者に部分的な業務委託をすることを考え、提携先も候補が絞られていたそうです。

この記事を読んでみると、確かにひどい現場だなあ、というのが感想です。アマゾンは長い間過酷な労働環境のなか、組合を作ってこなかった事が問題になりましたが、優秀な人ほど「泥舟」からは逃げていくのも事実です。ただ、月面着陸もしかり出光もホンダも、なんでもそうですが、世の中に無いものやサービスを生み出すためには、膨大なエネルギーが必要です。そして人ではなく無人のドローンが玄関先まで荷物を届けるなんて、ほとんどSFの世界です。

飛行距離や重さの問題、鳥や他のドローンなどとぶつからないように、落下したときの補償など、様々な技術的・法律的なハードルをクリアしてのことですから、なおさらです。ただ、やる気のない月曜日の朝に同僚がビールを飲んでいるも目撃されているようですから、よほどひどい精神的環境の職場だったんでしょう。ただ、それでも人員や人材の補完はされていくでしょうから、数年先にはアマゾンの配達手段の一つとして確立されるのではないでしょうか。

アマゾンのPrimeAir部門の大量解雇について

アマゾンの 広報担当者のクリステン・キッシュは、Prime Airでの解雇についてTechCrunchに声明を提出しています。

それによれば「通常の業務の一環として、お客様とビジネスのニーズに最も適した形で対応するために、より大きなPrime Air組織の中の小さなチームを再編成しています」との事。「影響を受けた従業員については、その経験とニーズに最もマッチした役割を、募集している分野で見つけられるよう努力しています」とも述べています。 これには社内での従業員のシフトを含めた再編成を試みているということで、このプロジェクトが先行き厳しいのではないか?という不安を払拭するためだとみられています。

さらにアマゾンはPrime Airプロジェクトに全力を注いでいることを付け加えています。 最初の報道では、何十人もの解雇が行われたと指摘されていますが、当たり前ですが、アマゾンは正確な数字を言いたがりません。アマゾンは現在もPrime Air部門で働くスタッフを募集しており、採用サイトでは57の職種が公開されていますが、そのほとんどがソフトウェアやシステム関連の職種です。

米連邦航空局(Federal Aviation Administration)が、アマゾンにドローンによる配送の認可を与えたのがわずか数週間前だったことを考えると、このニュースはちょっとした驚きです。アマゾンの広報担当者は、Prime Airの “再編成 “を認め、お客様とビジネスのニーズに最も合致した方法 であると説明しています。 また、この関係者は、アマゾンの夢であるドローンによる定期的な配送はまだ「何年も先」であるが、来年(2022年?)の初めには「ゆっくりと、しかし確実に」開発が進められる見込みであると付け加えました。

アマゾンは現在、スペインのAernnova Aerospace社とオーストリアのFACC Aerospace社に、ドローンの部品製造を引き継ぐことを打診していますが、まだ最終決定ではありません。また、アマゾンは他の企業にも提案依頼を出しており、近いうちにさらに多くの第三者、直接アマゾンと関連のないメーカーと契約を結ぶ可能性があるとしています。

解雇と同時に求人、そして業務の委託、一見するとなんで?と思われる事ですが、そもそもドローン配達は現時点で人口密度の低い地域で5ポンド以内の荷物に限定しています。クレジット決済限定の玄関先投下システムですから、確立していまえば明らかにコスト安です。消費者にとっても不在時にも届けば便利ですしね。ただ、アメリカだから成り立ちます。

映画やドラマでよく見る、住宅街で新聞配達員がポンポン庭先に新聞を放り投げる光景。日本じゃ無理です。そうとう田舎だとしてもポストに入れますからね。もっと技術的な改良が必要でしょうか。ドローンのブザーをならすとかスマホに信号を送るとか、ですね。

FAA取得について

アマゾンは2020年の8月に、米連邦航空局(Federal Aviation Administration)から、配送用ドローン「Prime Air」の運用承認を取得しました。この承認により、アマゾンは「安全かつ効率的に顧客に荷物を届ける」ための幅広い権限を得ることができるとFAAは述べています。アマゾンは、これまでにドローンによる配送業務でFAAの承認を得ていたUPSとアルファベット傘下のWingと同じ様にドローン配達業界に参入しました。この2社もドローンによる商品配送の拡大を狙っています。

あれ?アルファベットってグーグルの親会社じゃなかったっけ?ラリー・ペイジの・・・。そんな事もやっているんですね。

米連邦航空局(Federal Aviation Administration)のから受けた今回の承認はFAA規則のパート135に基づくもので、これによりアマゾンは、操縦者の「目視範囲を超えて」小型ドローンで財産を運ぶことができるようになります。見える範囲でのドローンの操縦なら人が配達したほうがいいですからね。これにさきだって、アマゾンはドローンによる配送業務が安全であることを示す詳細な証拠を提出しています。

アマゾンは、「Prime Airの宅配部隊はすぐに大々的に配送を展開できる状態ではないが、積極的に飛行して技術をテストしている」と付け加えました。

「アマゾンは、プライム会員の皆様により早く荷物をお届けするために、ドローンによる配送に力を入れています。アマゾンは昨年から、2日配送から1日配送への移行に数十億ドルを投じています。  アマゾンは2013年に配送用ドローンのテストを開始し、30分以内に顧客の玄関先に荷物を落とすことを目指しています。」

承認の1年前の2019年8月、同社はその計画をFAAに承認してもらうための請願書を提出しました。その嘆願書でアマゾンは、配達は人口密度の低い地域で行われ、荷物の重さは5ポンド以下であるとしている。 同社は2019年のre:MARSカンファレンスで、5ポンド以下の荷物を30分以内に顧客のもとへ運ぶことができ、最大15マイルまで飛行可能な、新しい電動の配送用ドローンを披露した。(その時点で試作機はできていたんでしょうか?)

これについては国内法ですから、日本での導入はさらに先ですね。もっと複雑になりそうです。人間がやっていた事を機械がやるようになる、それによって仕事を奪われる人もいる、ここ数年声高に言われていることですけど、この流れはどうしようもないですよね。

この流れ、決して今に始まった話ではないんですよね。ケースは違いますが僕は2度経験しています。最初は地元での離島までの橋の開通。生まれてこの方フェリーでしか行けなかった場所に、人間の英知で橋がかかる。車は最初有料でしたが、何年も前に無料になりました。橋の開通でフェリー会社はなくなり、従業員は再就職を余儀なくされましたが、誰が悪いわけでもありません。2度目は四国での話です。瀬戸大橋の開通で2つあった大型フェリーのうちの1つは、2019年に運航休止になってしまいました。

ここでも当初フェリーのほうが料金が安かったり、悪天候で封鎖された場合の代替えの交通手段としてながく運航していたようですが、どう頑張っても採算がとれなくなったのです。企業というのは利益を得ないと存続できませんから仕方のないことです。AIに関しては今後加速度的に社会に浸透していきますが、避けるのではなく、

Keeping up with A.I

でやっていきましょう。

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